公開日:2006-08-03
更新日:2012-12-14
昨週末は黄砂が酷かったが、今週は雨風が酷い。土砂降りである。傘を差しながら道を歩いていると、雨まじりに染井吉野の花が散っていた。どうも、今週末まで持たなそうである。いつもながら、早い別れだと思う。
ところで久樹は、以前から「梅」と「桜」の違いについて疑問を持っていた。種が違うと言えばその通り。だけど、それで具体的な違いについても色々考えてみても、これがなかなか思い浮かばない。実際の写真を見比べてでさえ、よく分らない。微妙に違うといえば何かが確かに違うみたいなのだけど、でもそれは同じ桜の親戚でも染井吉野と彼岸桜ならかなりの差があるのだから、どれが決定的な「違い」なのかよく分らない。仕方がないので、例によってGoogle様に泣きついてみた。
まず、根底的な話として、桜も梅もバラ科サクラ属の植物であるらしい。つまり、属レベルではどちらも違いはないのである。属レベルの違いとは、人間(ヒト属)でいえばチンパンジー(パン属)よりも近縁(北京原人と同等)ということになる。いやそれどころか、桃や杏子も同じくサクラ属らしい。
ヘェ! なんと、春の代表と言われる4種の花は、みんな生物学的にはかなり近しい存在なのだそうだ。確かに言われてみればどれもなんとなく雰囲気は似ているが、こうやって事実として浮き上がってくると、やはり意外に思ってしまう。
サクラ属 (Prunus)は、バラ目バラ科の植物分類項目。これに含まれる植物は、樹木になり、五弁の花をつける。花はウメのように一つづつつくもの、サクラのように短い軸から数個を房状につけるもの、ウワミズザクラなど小さい花を穂のようにつけるものなどがある。果実は核果で、外側は柔らかくて、中心に固い種子が一粒はいる。落葉樹が多いが、バクチノキやリンボクなどの常緑樹もある。
と、いうことで、どうも梅と桜の違いとは、花びらの付き方にあるらしい。というわけで下の写真をよく見比べて欲しい。左が梅で、右が桜である。
つまり、枝から何やら蔓のようなものが飛び出し、そこに花びらがついているのが桜。一方、枝から直接花が咲いているのが梅、ということになるらしい。なるほど、言われてみればその通りだ。
ちなみに、桃(季節の花 300より)は梅と同じく枝から直接花が咲いている。杏子(Wikipediaより)も、梅と同様に枝から直接花びらがついている。どうも桜の方が生い立ちが特殊らしい。こうしてみると、生き物の進化の道のりが、おぼろげながら分かってきそうで面白い。
まあともあれ、どれも華麗で心を和ませてくれる事には全く変わりはないのだから、今回は桜と梅と、さらには桃や杏子の近縁関係がまでもが明らかになり、花だけに「実り」があったということにしようと思う。