起動中のコンピュータ上に接続された全てのドライブ(記憶装置)へのリンクが登録されたフォルダ。Windowsでは、仮想的に各ドライブのルートより更に上位のディレクトリとして振舞う。
マイコンピュータの中身はWindowsが自動的に更新するため、ここに何らかのファイルやフォルダを入れることは出来ない。但し、ネットワークドライブを割り当てることでフォルダのエイリアスを登録することは可能。
正確には「フォルダ」ではなくパーティションを区切られた「ドライブ」。Cドライブには通常Windows自体がインストールされ、ここに標準のフォルダやファイルを作成する[1] なお、ドライブの頭につくアルファベットを「ドライブ レター」と言う。
Windowsが起動中のドライブは環境変数「%SystemDrive%
」、ホームフォルダに指定しているドライブは環境変数「%HOMEDRIVE%
」で参照出来る。
[註.01] 一般的にAドライブとBドライブにはFDドライブを割り当てるのだが、現在この仕様は殆ど意味を持っていない。
文字通り、ドキュメント(文書)とセッティング(設定)に関するファイルが入るフォルダ。端的に言えば、ユーザがかかわる情報(プロファイル)は全てここに入る。通常は「C:\
」直下にある。
中には後述する「ユーザプロファイルフォルダ」という特殊なフォルダが入っている。
ログオン情報など、Windowsが動作する上で重要な情報も記録されているため、基本的にこのフォルダは移動や名前の変更は出来ない。やむなき事情がある場合は、以下の方法で変更する。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\ProfileList
」とその下にある各ユーザ毎のキーの「ProfilesDirectory
」値を変更レジストリを操作するため、初心者には推奨しかねる。単純にシステムデータと自作データを分けたいのであれば、マイドキュメントのターゲットフォルダを変更する方が安全である。
実際に「ユーザプロファイルフォルダ」という名前のフォルダはなく、Documents and Settingsフォルダ直下[2]に作られたフォルダの総称である。中にはログオンユーザ個別の情報が記録される。
Documents and Settingsフォルダには、「All Users」というフォルダと「Default User」という隠しフォルダに加え、ログオンユーザごとにフォルダが作られる。「All Users」は文字通り全ユーザに適用される設定・ファイルを入れるフォルダで、「Default User」は誰もログインしていない段階に適用される[3]
現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダは環境変数「%USERPROFILE%
」、All Usersフォルダは環境変数「%ALLUSERSPROFILE%
」で参照出来る。
ユーザ切り替え機能に対応したアプリケーション(ソフトウェア)の各ユーザ毎の設定ファイルが入るフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダになっている。
一見とても重要なフォルダに思えるが、実際、そこまで親切に動作するソフトウェアは少ない。まともに対応しているのはMicrosoft Officeや、Adobe Acrobat、ATOK、Operaといった「大御所」のソフトウェアが中心である[4]
現在ログオンしているユーザのApplication Dataフォルダは環境変数「%AppData%
」で参照出来る。
[註.04] もちろん、それらのデータを云々するに時は必要なのだが。
Internet Explorerなどで利用されるクッキーファイルが入るフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダとなっている。
クッキーを削除するためにはここのファイルを削除すれば良いが、次の方法でも削除出来る。
ネットワークに対するローカル情報に関する設定ファイルが入る。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダとなっている。
Internet Explorerとエクスプローラの「表示履歴」が入っているフォルダ。
表示履歴を削除するためにはここのファイルを削除すれば良いが、次の方法でも削除出来る。
一時的な設定やキャッシュ情報などが入るフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\Local Settings\
」にある[5] Temporary Internet FilesフォルダはInternet Explorer用。
設定によっては何GBもの容量に膨れ上がっていることがあるので、たまに覗いて削除しておくと容量の節約になる。
tempフォルダは環境変数「%TEMP%
」で参照出来る。
[註.05] なおtempはTemporary(一時的)の略称
ユーザが作成したデータを入れるフォルダ。必ずここに入れなければならないわけではないが、Windowsや多くのアプリケーションはここにデータを入れる前提で設計されていため、何かと便利ではある。その場合、バックアップ時の最重要フォルダと言える。
Windowsをインストールした直後は「マイ ピクチャ」と「マイ ミュージック」しか入っていないが、アプリケーションによってはインストールすると勝手にフォルダが追加される上、場所や名前を変更出来ないこともあって鬱陶しい。
「マイドキュメント」はMy Documentsフォルダのエイリアス。マイドキュメントフォルダを右クリックし、「ターゲット フォルダの指定」を変更すると、任意のフォルダを「マイドキュメント」に変更出来る[6]
[註.06] 勝手にファイルの移動までしてくれる。
NetHoodフォルダは共有フォルダの情報を入れるためのもので「マイネットワーク」の実体。PrintHoodはプリンタ情報を入れるためのもので「プリンタ」フォルダの実体。
通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\Local Settings\
」にある。
右クリックメニューの「送る」に登録されたフォルダやアプリケーションのショートカットが入るフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダとなっている。
ひとつのファイル形式に対して複数のアプリケーションを頻繁に利用する、複数のファイルを一括してひとつのアプリケーションで頻繁に処理するといった場合は、ここにショートカットを入れておくと便利。
但し、ここに登録出来るショートカットは実行形式(*.exe)かバッチファイル(*.bat / *.cmd)だけの模様。
WordやExcelなどの「テンプレート」[7]入るフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダとなっている。
[註.07] 雛形のこと
Internet Explorerのお気に入りファイルが入っているフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にある。
OperaやMozillaなどと異なり、IEではページへのリンクが一つ一つのショートカットファイルとして登録される。フォルダ構造もそのまま反映される。
[スタート]に表示されるショートカットを登録するフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にある。
ちなみに、標準で作成される「プログラム」フォルダは「全てのプログラム」にあたる。
読んで字の如くデスクトップに表示されるフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にある。
使う人の信条や性格が出やすいフォルダであり、デスクトップには「ごみ箱」以外置かない主義の人もいる。作業フォルダや仮置きフォルダとして利用している人はバックアップのし忘れに注意すること。
[スタート]に表示される「最近使ったファイル」が自動的に登録されるフォルダ。通常「C:\Documents and Settings\%USERNAME%\
」にあるが、隠しフォルダとなっている。
インストールしたソフトウェアやドライバなどのファイルが入っているフォルダ。通常「C:\
」直下にある。
基本的にソフトウェアをインストール/アンインストールする際に自動で作成/削除を行うため、ユーザが直接操作する必要はない。むしろ下手に触るとシステムが不安定になる虞もあるので、管理者(Administrators)権限を持たないユーザはアクセスを拒否される[8]
しかし、ソフトのショートカットを誤って削除してしまった時や、INIファイルなどの設定情報をコピーする時には、ここを覗く必要がでてくる。
Program Filesフォルダは環境変数「%ProgramFiles%
」で参照出来る。
[註.08] 最初に表示しようとすると警告画面も出る。
Windowsの動作にかかわるファイルが入っており、謂わばWindowsの「心臓部」とも言えるフォルダ。通常「C:\
」直下にある。
Program Filesフォルダ以上に重要なファイルが詰まっており、しかもファイル数も膨大であることから、初心者は極力触れるべきでない。また、管理者権限を持たないユーザはアクセスを拒否される[9]
そもそも、ここを覗く必要があるのは、コンピュータウィルスの手動削除を敢行したり、フォントを登録・削除したり、メモ帳のショートカットを削除してしまった時など、ごく限られた場合のみ。
WINDOWSフォルダは環境変数「%SystemRoot%
」で参照出来る。
[註.09] 最初に表示しようとすると警告画面も出る。
フォント(字体)を登録するフォルダ。通常「C:\WINDOWS\
」にある。
操作に特別な設定やウィザードは必要なく、登録する時はフォントファイルをこのフォルダ内にコピーし、削除する時は対応するフォントファイルを削除する。但し、Windowsをインストールした際に入っているフォントは「システムフォント」と呼ばれ、削除すると最悪Windowsが起動しなくなる。そのため、初心者は出来ればインストールウィザードなどを利用してもらいたい[10]
[註.10] フォントを登録しすぎるとシステムが重くなる点にも注意。
タスク設定が入るフォルダ。通常「C:\WINDOWS\
」にある。
新たにタスクを設定したい時は「スケジュールされたタスクの追加」を実行すれば良いが、「タスクマネージャー」から追加する方法もあるのでそちらを推奨する。
Windowsの管理に必要なツールが入るフォルダ。通常「C:\WINDOWS\
」にある。
ツールと言っても、エクスプローラから利用出来るものもあれば、コマンドライン専用のものまで一緒くたになっている。以下一例。
システム復元とファイル検索用のインデックス情報が入るフォルダ。通常「C:\
」直下にあるが、保護されたシステムファイルとなっている。
管理者権限でもアクセスすることは出来ないし、そもそもアクセスする必要はまずない。何らかの事情でアクセスしなければならない場合は、Microsoft社のヘルプを参照されたい。
ごみ箱の実態。通常「C:\
」直下にあるが、保護されたシステムファイルとなっている。そもそもアクセスする必要はない。
MS Officeなどのインストール/アップデート時に作成する仮置きフォルダ。通常インストール/アップデートが終了すると削除されるが、何らかの事情で残ってしまうこともある。正常に終了しているのであれば、削除しても問題ない。
久樹 輝幸